バニャーヤがル・マンから反撃か?【ペチーノのRS深掘り!!】
2025/05/07
フランチェスコ・バニャーヤの今シーズンのスタートは、マルケス兄弟には歯が立たないことを表わしているように見られている。第5戦イタリアGPまでのリザルトが、それを裏付けている。スプリントとレースの10戦中、バニャーヤがマルケス兄弟を負かしたのは、第3戦アメリカズの1レースのみ。しかもアレックス・マルケスでさえ2度の世界チャンピオンであるバニャーヤを10戦中8戦も破っている。
これらはまぎれもなく明白な数字だ。だが、3年前にダブルレース方式が導入されて以来、バニャーヤは最高のシーズンを送っていることを示す分析結果もある。ではデータを見てみよう。
SEASON/POINTS AFTER 5 GP/GAP WITH CHAMPIONSHIP LEADER
2023 / 94 /Bagnaia was championship leader by 1 point
2024 / 91 /-38 points
2025 / 120 /-20 points
エンジニアやテクニシャンが重視するデータは、一部の感覚では見えていないことを、はっきりと示している。確かにバニャーヤの今シーズン序盤は無力感がある。しかし過去にはやりたくてもできない状況によって転倒を引き起こされていた。だが今季は大量ポイントへとつながっている。
バニャーヤは過去の失敗から学んだことを示している。去年は11勝を挙げながらも、ランキング2位という異例の結果に終わった。今季のバニャーヤは、昨年の残念な結果の後に、ジジ・ダリーニャから受け継いだ哲学を実践している。
「11勝以上するよりも、転倒しないことを学ぶ方が簡単だ」
このイタリア人ライダーがマルケス兄弟と互角に戦えないことにフラストレーションを感じるのは当然だ。しかしバニャーヤはそのストレスをコントロールすることを学んだ。もちろんバニャーヤが一歩前進する必要があることも事実だ。
彼は昨シーズン、第6戦からその一歩を踏み出した。その後6戦中5戦で優勝。残りの1戦では3位表彰台を獲得している。同時に今シーズンと昨シーズンは異なる点がある。たとえば彼には二人のライバルがいて、そのうちの一人はマルク・マルケスなのだ。
状況はよくないが、バニャーヤは十分な準備をしてきた。今週末の展開を見守りたい。チャンピオンシップにとって、重要なレースになるかもしれない。
(マニュエル・ペチーノ)
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